キング・カズと一期一会

「一期一会」

以前「欲の深さ=愛」という記事

「商売に対する意識の深さが大切だ」

という話をし、実際によろしくなかった
某有名店の話を少し書かせてもらった。

それに対して、とある方から

「それって、たまたまその時だけ
研修中のスタッフがついたとか、
たまたまその時だけ下ごしらえが
きちんとできていなかった食材が
出ただけじゃないんでしょうか?」

というメッセージをいただいた。

 

確かに、そうかもしれない。

お店も広かったし、フロアスタッフだけ
でも10人くらいはいただろう。

席だって50席くらいはあったし、
この方がおっしゃるように

「たまたまそういうスタッフ、
たまたまそういう食材と当たっただけ」

という見方はできる。

 

そういう見方があるのは分かる。

しかし、だ。

 

もしあなたが、いい商売をしたいので
あれば、いいブランドを築きたい
のであれば、今後一生、その見方は
絶対にしてはいけない。

あくまでも僕の持論になるが、
今日はその話をさせてもらおうと思う。

 

そもそも、その

「たまたま、その時だけ」

とは、本当にそうなのだろうか?

お店としては毎日毎日
商品やサービスを提供しているから、

「たまたま、その時だけ」

ということが何かしらあっても
不思議ではないだろう。

では、お客様から見たらどうだろうか?

常連さんならそれでも
いいかもしれない。

「また次の機会」があるからだ。

では、常連さんでないお客様だったら
どうだろうか?

例えば旅行や出張とかで
遠くから来ている人だったら?

「ウチは常連さんしかいない」
というお店なら、それでもいいと思う。

しかし、ほとんどのお店、
ほとんどの企業はそうではない
のではないだろうか。

 

高速道路であわや死ぬかもしれなかった記事

でも似たようなことを書いたけれど
「また次の機会」がある保証なんて
どこにあるのだろうか?

僕の稚拙な文章ではピンと来なければ、
この人の言葉ならどうだろうか。

あの「キング・カズ」選手と
マンチェスター・Uにも所属していた
「朴智星」選手がJリーグにいた時の会話だ。

 

カズ「いいかい智星、自国以外でサッカー選手として生き残るのは本当に困難だ、

最後までサバイバルする選手に一番必要なものは何かわかるかい?

技術じゃない、そのクラスの選手の技術はみんな同じくらい高いからね、

一番大切な事は、サッカーへの情熱、一途の献身、毎試合今日死んでも悔いはないという思いで試合に望む、サッカーに人生を賭ける選手だ。

ブラジルでは貧しくて、ブラジル人なのに一生スタジアムに来れない人が沢山いるんだ。ブラジル人にとっては悲劇だよ

智星わかるかい?

ブラジルで俺は試合前に必ずスタジアム全体を見る、

この中でいったい何人の人達が一生に一回だけの試合を見にきたんだろうと思うんだ。

すると全身にアドレナリンが溢れてきて喧嘩した直後みたいに身体が震えてきて鼻の奥がツーンとしてくる、

俺はそのまま試合開始のホイッスルが鳴るのを待つんだ。

うまくは言えないけれどこれが俺のサッカー人生だ、

智星が本当にサッカーを愛しているならとことんまで愛してやれ。

智星のプレーで全然違う国の人々を熱狂させてあげるんだよ、それは本当に素晴らしい経験なんだよ」

「パク・チソン「日本人のイメージは良くなかった」→ 人生の師はカズさん」より抜粋

 

「一期一会」という言葉がある。

目の前の人との出会いはもしかしたら
一生に一度のことかもしれない。

であれば、今何を考え、
何を為すべきか?

 

目の前の人と、
もう二度と会えないとしたらどうする?

あなたも一度是非、考えてみて欲しい。

 

阿部 龍太

 

【追伸】

とことん愛してやってください。

あなたがしている商売を。
あなたのお客様を。
そしてあなた自身を。

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