全ては虚ろに移ろいゆく。(決して対岸の火事じゃない)

栄枯盛衰

先日、こんなニュースが世間を飛び交った。

→芳林堂書店が倒産。太洋社廃業の
影響で「町の本屋さん」が続々と閉店

昭和23年(1948年)に創業した
「芳林堂書店さん」が約70年の歴史に
幕を下ろされたそうだ。

1999年は約70億円の売上があった
そうだが、長引く出版不況等の影響で
売上が減少し、2003年には池袋本店
を閉店し、昨年2015年の売上は
約35億円と半分程度まで落ち込んでいたそうだ。

 

恐らく、関係者の方々は、精一杯対策を
とられ、精一杯動かれたのだと思う。

それでも、不況という下り坂を一度
転がりだした自分自身を止める事は
できなかった。

彼らの能力や努力だけの問題ではないだろう。

時代性や環境といった外部要因も
少なくない影響を及ぼしているのは
間違いない。

 

成功というものは、個人の成長
だけで成り立つものではないんだ。

個人の成長はもちろん重要な要素だけど、

「時代の波に乗る事」

これも同時に重要な要素だ。

 

これらは

(個人の成長)x(時代の波に乗る)

というかけ算のような関係性で、
どちらかがゼロだと得られるものも
ゼロになってしまうんだ。

 

そしてこれは、今更言うまででもないと
思うけれど、出版業界に限った話ではない。

どんな業界にだって言える事だ。

 

日は昇れば沈む。栄華が永遠に続く
という訳ではない。

それこそ

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。

沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。

おごれる人も久しからず。ただ春の夜の夢のごとし。

たけき者も遂にはほろびぬ。ひとへに風の前の塵に同じ。

(『平家物語』より抜粋)

または

ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。

よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。

世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。

(『方丈記』より抜粋)

というようなものだ。

 

全ては移ろい、変化していく。

同じままでいる事は絶対にない。

歴史を少しでも見てみれば、
それは明らかだ。

政治も、

経済も、

国家も、

文化も、

芸術も、

宗教も、

思想も、

人の心も、

すべてが変わりながら、
今に至っている。

 

そしてそれは、あなたや僕も、
同じ事だ。

現状がずっと同じように続くなんて
あり得ない。

 

僕は予言者じゃないから、
未来がどうなるかははっきりとは
分からないし、正直言ってその必要も
無いと思う。

はっきりとは分からないとは言え、
未来に不安を感じる必要も無いと思う。

ただ、何が起こるか分からないという事
だけは、意識していてもいいのでは
ないかなというのが僕の個人的な意見だ。

 

「何が起こるか分からない」

という事は、正確に言えば

良いも悪いも関係なく
「何が起こるか分からない」

という事だ。

 

「適者生存」じゃないけれど、
考え様によっては

「無限の可能性」

が発揮できる可能性だってある。

時代の流れを見つつ、己を磨いていく事
で、それが可能になると
僕は思っている。

 

今が良いからと言って、
それがずっと続く訳ではない。

今が悪いからと言って、
それがずっと続く訳ではない。

 

変わっていこう。

少しでも望ましい方へ。

少しでも笑顔になれる方へ。

 

そのために磨こう。
自分自身を。

 

芳林堂書店の関係者の皆さま、
本当にお疲れさまでした。

 

阿部 龍太

 

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