ある政治家の演説から学ぶ、ブランディングのコツ

「そんなんじゃ、誰にも届かない」

前回、とある政治家の方の街頭演説に
ついていくつか思う所をお伝えした。

前回の記事は下のリンクから↓
その政治家の演説は、何故聞いてもらえなかったのか?

今日は、その演説から学んだことを、
ブランディングに応用して少しだけ
考えてみようと思う。


聞いてもらえない政治家の演説と脳のしくみ

最近の脳科学の研究では

「結局人は“好き嫌い”で決める」

という説が有力なのだそうだ。

全ては好き嫌いという
「感情による結論」ありきであり、
その後で色々な情報を合理的に
処理して決めた「つもり」になっているだけ。

それらの情報は、最初にあった
「結論」を裏付ける為の材料に過ぎない。

ダマシオという脳神経学者と
彼の患者のエリオットの

「感情が無くなると人は決断できなくなる」

という話なんかが有名なので、
気になる人はgoogleさんに聞いてみてほしい。

 

また、マーケティングでよく言われる

「人は感情で購入し、論理で正当化する」

という例もある。

感情によって決定された購入という
自分の選択を正当化する為に、脳が
後から理由をつけている、というもの。

好きとか嫌いといった感情によって、
ほとんどの人は行動を決定しているんだね。

 

あなたが何らかのメッセージをある人に
伝えようと思ったとする。

そしてそのメッセージの内容がいくら
素晴らしいものだったとしても、
そのあなた自身が他者に選ばれない
のであれば、そのメッセージの良さが
伝わることは難しいということなんだ。

そうなると今回の政治家の方みたいに、
いくら一所懸命話していても誰にも
聞いてもらえないどころか、
不快感を植え付けるだけになってしまいかねない。

せっかく伝えたいメッセージがある
のに、聞いてさえもらえない。
それは本当にもったいないことだよね。

 

もちろん「全ての人に好かれよう」
としてしまうのは問題だ。

不可能だとは言いたくないけれど、未だ
そういう存在はこの世に無い。

だからこそ

「あなたがメッセージを届けたい人」

に好かれる努力をすべきなのではないだろうか。

  • あなたが助けたい人
  • あなたが役に立ちたい人
  • あなたが一緒に歩んでいきたい人

そういう人たちに選んでもらう。

そのためには、メッセージの内容その
ものの質に加え、そのメッセージを
受け取ってもらえる「状況」、
すなわち「関係性」の質をもきちんと
磨いておく必要がある。

 

ブランドはあなたが作るものじゃない。

あなたが伝えるメッセージと、
そのメッセージを受け取る人との間に
出来上がっていくもの、それがブランド。

つまりブランドとは、
ある種のコミュニケーションの結果なのだから。

 

この辺りはブランドにおける

「コミュニティ」

という概念とも密接な関わりのある
ポイントなので、今後色々な面で
解説していけたらいいなと思う。

 

阿部 龍太

 

【追伸】

今回は「内容」については言及して
いないけれど、この政治家の方は
こちらの要素についても大きなミスを犯していた。

仮に聞いてくれたとしても、
あの内容では支持される可能性は
極めて低いだろう。

その辺りについても機会があれば
書いてみたいと思う。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

ページ上部へ戻る