- 2015-12-2
- こぼれ話, ビジネスで大切なことは結構●●●から学んだ
- ブランドになれる人の思考法, ブランドの心・技・体, ブランドイメージ, 日本ラグビー
ラグビーW杯後「日本ラグビー」の
ブランドイメージが飛躍的にアップした
理由を探り、商売繁盛に役立たせようというこのシリーズ。
前回は「心・技・体」の「心」として
エディーさんが日本代表に浸透させた
「日本代表のプライド」
の「もう一つの側面」
についてお伝えしました。
今日は前回の続き、題して
愛を体現するということ
〜日本ラグビーのブランドイメージ向上の理由(7.2)〜
として、お伝えしていきます。
ちなみに、バックナンバーはこちらです。
→「なぜ日本ラグビーのブランドイメージは向上したのか?」バックナンバー
今まで発表した全ての記事をまとめて
ありますので、よろしければご確認
くださいませ。
一度も試合に出られない…あなたならどうする?
前回、「日本代表のプライド」を構成
する要素のひとつとして
「大切な人のために自分の精一杯を出し切る」という「愛」
についてお伝えした。
今回は、日本代表があのような素晴らし
いチームになった
「愛の体現」
について、もうひとつお伝えしたい。
今回の代表の中で、一度も試合に出られ
なかった選手がいる。
廣瀬俊朗選手と、湯原祐希選手だ。
廣瀬選手は、2012年のエディー
ジャパン発足時には、主将を任されて
いたほどの選手だ。
そこから一人のプレーヤーとして、
そしてチームのキャプテンとして、
一所懸命自分を磨き、チームを引っ張ってきた。
しかし2014年になって、廣瀬選手は
「スタメンを確約できない」という理由
でキャプテンを外された。
さらに本来のポジション(WTB)とは
別のポジション(SO)に変更されることになる。
本人としては、
相当ショックだったそうだ。
その当時のことを
「ポッカリと穴が空いた気分でした」
と話していることからもそれが窺える。
しかし
「試合に出られなくても、自分にしか
出来ないことがある。それに集中しよう」
と再度奮起し、チームのために働き続けた。
もしあなたが廣瀬選手の立場だったら、どうだろうか?
せっかく日本代表のキャプテンになれた
のに、解任され、さらには
「スタメンも確約できない」
と言われてしまう。
トップアスリートの世界ならば仕方の
ないことなのかもしれないが、
モチベーションが低下してしまうような
何かしらネガティブな影響が出ても
おかしくはないのではないだろうか。
しかし、廣瀬選手と湯原選手は、そうはならなかった。
彼らは試合に出られなくても腐ること
無く、チームの勝利のためにできること
が何か出来るはずだと考えた。
そして自分たちに出来ることに真摯に取り組んだ。
スタメン選手の練習相手になったり、
若手選手の相談に乗ったりと、目に見え
ない部分で数多くの貢献をしたのだそうだ。
そして、あの歴史的勝利を勝ち取った
南アフリカ戦に備えて、彼らは大きな働きをした。
日本代表の各選手の所属先の選手や
チーム関係者、また、残念ながら
怪我で辞退してしまったり、落選して
しまった代表候補メンバーや、
大会には来られなかったスタッフから
もメッセージを取り寄せ、試合前に
出場選手の気持ちを高める
ビデオレターを作ったのだ。
これが選手達の奮起の、そして歴史的
勝利の一因にもなったのは、選手達の
インタビューを聞かなくても分かるだろう。
彼らは試合には出られなかったけれど、
エディーさんや選手たちからの信頼は
非常に厚く、今回の成功の要因に彼らの
働きを挙げる人も少なくなかったのだそうな。
「試合に出て活躍することが選手の役目だ」
そういう意見もあるだろうし、それは
別に間違っていない。
しかし、そういう選手「だけ」のチーム
が、果たしてあのような舞台で勝てるだろうか?
いくら身体能力や技術が高かった
としても、それだけではラグビーは勝てない。
いや、ラグビーだけではない。
どんなスポーツだって、そんな甘いもの
ではないはずだ。
試合に出た選手も、
出られなかった選手も、
全ての選手が勝利のために
「正しい努力」
をする。
それができるチームこそが「勝利」と
いうご褒美をもらえるのだ。
試合に出た選手達だけではない。
廣瀬選手も湯原選手も、日本代表の勝利
のために、彼らにしかできない
「愛の体現」
則ち「正しい努力」をし続けたのだ。
彼らの日本代表に対する愛情には、
本当に頭が下がる。
是非あなたも、この「愛」というものに
ついて考えてみてほしい。
あなたが提供している商品やサービス
その商品やサービスを購入してくれるお客様
そしてそのお客様の喜びのきっかけになっているあなた自身
これらに対して、今以上に愛情を注ぐ
ために、何が出来るのか、是非考えてみてほしい。
→to be continued…次回に続く
阿部 龍太
【追伸1】
次回はいよいよ最終回になりそうです。
いつの間にか結構長いシリーズになって
いて、何だか感慨深いですね・・・
【追伸2】
記事の裏話や、その他あまりブログに
書けないことはメルマガに書いています。