ダンス・ウィズ・xxx 〜ザ・挫折ストーリー(その4)〜

踊らされるな。踊れ。

先日お伝えしたように、
僕はどうやら
「挫折の経験がない強い人」に
思われることが多いみたいだ。

でも実はまったくの逆で、
僕の今までの人生は世間一般で
言えば、負けばかりの人生だ。

でも弱くたって、
いや弱いからこそ自信を持って
生きていける。

それを伝えるためにも、
僕の恥ずかしい過去を曝け出そうと思う。

名付けて「ザ・挫折ストーリー」

今日は第四話。愉しんでいただければ。


「ザ・挫折ストーリーバックナンバー」

序章:「人は見かけによらぬもの」

第一話:「九死に一生・危機一髪・ファイト一発!」

第二話:「灰色の少年」

第三話:「スパイ大作戦」


【第四話:ダンス・ウィズ・xxx】

クライアントのSさんのセミナーに
参加者のふりをして紛れ込み、
お客様の「生の声」を聞こうとした僕。

そんな僕に驚きの話が。
ちなみに括弧の中は僕の心の声です。

 

 

女性「Sさんの教材に”無料面談”の特典が
ついてるでしょう?あの申し込みをしても全然返事がなくって」

僕「へぇ〜、そうなんですか
(おいおい、そうなのか?)」

女性「お忙しいんでしょうけどねぇ」

僕「確かにそうかもしれませんね
(いや、最近はそれほどでもないはず・・・)」

僕「もしかしたらメールが届いていない
のかもしれませんね(ちょっと本人に確認しないと・・・)」

女性「そうですね。もう一度送ってみようかな」

 

セミナーの次の日、早速ミーティングを
開催してこの話を聞いてみる。

僕「●●の教材の無料面談の特典って、申し込み来てますか?」

Sさん「あー、結構来てますねえ」

僕「何か返事が無いって言ってる人がいましたよ」

Sさん「だって返事してないですもん」

僕「分かってて返事してないってことなんですね?
だったら何故、無料面談の特典なんて付けたんですか?」

 

するとSさんの口から出た言葉は・・・

 

「だって、付けた方が売れるじゃないですか」

 

後から分かったのですが、
当時そういう輩は少なくなかったのだそうです。

彼らに言わせると

「特典として付けた方が売り上げは
上がるし、無料だから別にやらなくても問題ないでしょう」

ということなのだそうな。

 

どうしても納得できず、

「売り上げは確かに上がるかも
しれないけれど、その考え方は
商売人としておかしくないですか?」

と意見した僕は、3日後に
メール一本で解任されることになります。

 

「売り上げだけ上げればいい。手段は問わない」

僕はこういった考えをあまりに低次元で
貧しく、残念な思考だと見なしています。

お金は人間が使う道具なのに、
その道具たるお金に支配されている
なんて、何のための商売、何のための人生なのでしょうか。

 

もっと言ってしまえば、
そもそも「売り上げを上げる」という
考え方がおかしいように思うのです。

「売り上げ」とは
「(自分で)上げる」ものではなく、
「(お客様によって)上がる」もの
ではないでしょうか?

であれば、自分の利益だけを見て、
そのお客様を蔑ろにするような事を
してしまうのは、結果として
自分の利益も減らしてしまう事になる。
そう思うのです。

 

この挫折で気づいたんです。

 

「売り上げが上がる事を教える“だけ”ではダメなんだ」

 

と。

 

売り上げを上げることは
当然大切な事だけど、それと同時に
商売をする人の「器」も広げないといけない。

そうじゃないと、
一旦売り上げが上がったとしても、
結局また下がってしまう。

この経験から10年近く経ちますが、
その後出会ったクライアントさんや
周りの人や企業の様子を見ている限り、
この考えは間違っていないと個人的には確信しています。

(世の中のマーケティングコンサルタントの方々を批判する訳ではありませんよ。念のため)

 

起業家が見るべきなのは顧客、
すなわち人間であり、お金ではありません。

「ダンス・ウィズ・マネー」ではいけないのです。

 

 

第五話に続く・・・
to be continued,,,

 

【追伸】

僕とのプロジェクト終了後、
Sさんは新事業をスタートさせました。

当初は注目を浴びたものの、
すぐにじり貧に。

詳細は控えますが、その後は
見るも無惨な有様になり、
今は陰も形もありません。

 

まさに「悪銭身につかず」だったのかもしれませんね。

 

 

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