灰色の少年 〜ザ・挫折ストーリー(その2)〜

その鎖、解き放て!

先日お伝えしたように
僕はどうやら
「挫折の経験がない強い人」に
思われることが多いみたいだ。

でも実はまったくの逆で、
僕の今までの人生は世間一般で
言えば、負けばかりの人生だ。

でも弱くたって、
いや弱いからこそ自信を持って
生きていける。

それを伝えるためにも、
僕の恥ずかしい過去を曝け出そうと思う。

名付けて「ザ・挫折ストーリー」

今日は第二話。愉しんでいただければ。


「ザ・挫折ストーリーバックナンバー」

序章:「人は見かけによらぬもの」

第一話:「九死に一生・危機一髪・ファイト一発!」


 

【第二話:「灰色の少年」】

 

入院生活から卒業し、幼稚園に復帰。

右足にはロングブーツのようなギプス。

事故が起きるまでは、
可もなく不可もなく普通にお遊戯したり
外で遊んだりと楽しく過ごしていたと思う。

 

しかし、事故の後は、そうはならなかった。

そもそも外でみんなと一緒に遊べない。

ジャングルジムには昇れないし、
追いかけっことかもできない。

それほどひどくはなかったが、
いじめられた事もある。

泥だんごを投げつけられたりしても、
走れないから追いかけられない。

今思うと、いじめられたとことよりも、
それに対して何もできなかった、
というのが自分にとって
悔しかったような気がする。

 

こうして幼少時代にして

「自分では何もできない子」

というある意味の「ポジショニング」、
ある種の「ブランディング」ができてしまった(苦笑)

 

そしてこのポジションは、
ギプスが外れた後も変わらない。

小学校に上がった後も、
中学校に上がった後も。

「自分では何もできない」

自分をそんな風に諦めている子が
みんなと楽しく過ごすのは
なかなか簡単ではなかった。

 

今だったら違う考え方もできる
んだけど、当時は

「諦める=もう何もできることはない」

という認識をしていたから。

本当は「諦める」からこそ
できることが山ほどあるのにね。

 

ひどくいじめられていた訳ではなかった
から「死にたい」とまでは思わなかった
けれど、中学のときには不良の人たち
(グループというのがポイント)
に絡まれて殴られたり、漫画を盗られた
りして、幼稚園から中学校まで、
楽しいと思った事は正直あまり無かったな。

 

という訳で、仲のいい友達は専ら本。
憩いの場所は図書室となる。

毎週のように地元の図書館に
連れて行ってもらって、
制限いっぱいまで本を借りて読んでいた。

 

江戸川乱歩の「怪人二十面相」シリーズとか

コナン・ドイルの「名探偵ホームズ」シリーズとか

モーリス・ルブランの「怪盗紳士ルパン」シリーズとか

他にはファーブル昆虫記とか
シートン動物記とか
ドリトル先生シリーズとか
ガンバの大冒険シリーズとか
郷土昔話全集とか。

書いていて何だか懐かしくなった(笑)

 

後、親が「こども百科事典」みたいな
ものを買ってくれて
(僕の親はあまり何かを買ってくれる
という事がなかったのでよく覚えてる)
それを貪るように読んでいたっけ。

車や電車といった機械、
植物や魚や鳥や虫、
人間といった生命。
さらには空や海、大地と言った自然、
そして宇宙の神秘。

 

今だったらネットで
より質の高い情報が見られるだろう
けど、あの大きくて分厚い本の感触、
新しいページをめくると出てくる
新しい世界の発見という感覚は
また違った面白さがあった。

 

本を読んでいた割に、勉強がすごく
できた訳ではなかったけれど、
昨日まで解けなかった問題が
解けるようになったり、
分からなかった事が理解できるように
なったというのは、小さなことだったとしても楽しかった。

その時だけは

「自分は何もできない子」

という鎖から解放されていたのかもしれない。

 

こういうこども時代だったから
なのかもしれないけれど、
僕には今でも連絡を取り合うような
幼稚園〜中学校時代の友達がほとんどいない。

そんなこどもでも何とか成長し、高校・大学を経て大人になった。

 

第三話に続く・・・
to be continued…

 

【追伸】

高校時代も大学時代も、
もちろん挫折だらけでした(笑)

教育というもの、学校というものに
心から絶望したのが高校時代だったし、
孤独というものについて本当に深く
考えさせられたのは大学時代だったし。

色々いい経験させてもらいました。

この辺りのネタもお役に立てる部分が
あるような気もするので、
今後ちょこちょこ書いていこうと思います。

 

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