- 2015-6-26
- こぼれ話, ブランディング研究室
- ダス・マン, ダーザイン, ハイデガー
さて、昨日は、
高速道路で危うく死ぬかもしれなかった
経験から、僕自身が
「命というものは限りあるものだ」
という「命の有限性」にまったく
気づけていなかったという所まで話したと思う。
この話をすると、
いつも思い出す人がいる。
哲学者の「マルティン・ハイデガー」だ。
ハイデガーが考えた「理想の生き方」
すっごくざっくりと説明すると、
ハイデガーは「人間」というものを
大きく二つに分けて考えた。
ひとつは
「ダーザイン(Dasein)」
と呼ばれるもの、
そしてもう一つは
「ダス・マン(Das Mann)」
と呼ばれるものだ。
ダーザインとは
己の限りある生を自覚し、
「今・ここ」を精一杯生きている人間
であり、そして
ダス・マンとは
明日という日がやってくるのは
当たり前だと勘違いしつつ、
毎日をダラダラ生きている人間
のことだ。
ハイデガーは
「己の限りある生、限りある命を
きちんと自覚し、そしてそれを
しっかりと受け容れ、その上で
“今・ここ”を精一杯生きよう」
と「ダーザイン的生き方」を
提唱している。
しかし僕はダーザインどころか、
全くもってダス・マンだった。
自分の命の有限性(命には限りがある
ということ)も分かっておらず、
「今・ここを精一杯生きる」という
ことも、全然できていなかった。
今回の件でそれを心の底から
痛感しました。
明日が来るなんて、何の保証もない。
だったらどうする?自分はどう生きる?
本当に運の良いことに、
事故にはならず、失わずに済んだこの命。
でもいつか必ず無くなるんだ。
その命をこれからどう使って
生きていくのか。
それを真剣に考える、非常にいい経験になった。
さて、あなたはどうだろう?
こんなこと言ったら怒られるかも
しれないけれど、あなたにだって
必ず明日がやって来る保証はどこにもないんだ。
そしたらあなたはどうする?
どう生きる?
ちなみにこの考え方は、
ブランド構築にも非常に大きく
役に立つものだ。
なぜならば、
「ブランドとは何か?」の記事で僕は
ある意味「ブランド」とは
自分の生き様を見せ、それに共感してもらうこと
とも言える
と伝えているよね。
これを今回の内容に合わせて、
ひとことで言うのであれば、
適当に人生を生きている人には
そういうブランドができ、
真剣に人生を生きている人には
そういうブランドができる。
ということです。
「真剣に人生を生きるということ」
については、他にも面白いことを
教えてくれている人がいるので、
近々取り上げてみようと思う。
お陰さまで、僕は、無事です(苦笑)