「自分が絶対正しい」と思った時に、手に取ってほしい、そんな本

『わたしたちが正しい場所に花は咲かない』

本、それは
時に最良の友でもあり、
時に最大の師でもあり、
常にそばにいて見守ってくれる
パートナーでもある。

人生を豊かにしてくれる最も身近な存在、それが本。

そんな素敵な存在たちをご紹介しよう・・・


回まで2回に分けて、

「不自由な思考」というものが、いかに
「不自由な成果」を産み出し、その結果
その人の人生をいかに不自由にするか

ということについて考えてみた。

まだの方はこちらから読んでみてほしい。

そのラーメンは「不味い」のか? 
〜不自由な思考・前編〜

それは「こだわり」ではないかも・・・ 
〜不自由な思考・後編〜

今日ご紹介する本は、
この「不自由な思考」というものについて
考察し、対策を与えてくれる素晴らしい存在だ。

 

『わたしたちが正しい場所に花は咲かない』

この本は、イスラエルの平和団体
「シャローム・アクシャヴ」の
創設メンバーであり、作家でもある

「アモス・オズ」

という一人の男によって記された本だ。

骨肉の争いを続けてきたイスラエルと
パレスチナの戦争について、その根本に
あるものと平和への道について、
また「狂信者」という存在の本質に
ついて書かれている。

戦争について書かれた本ではあるが、
この本の中でアモス・オズが提示
してくれている内容は、現代日本に
生きる我々にとって非常に役立つことだ。

 

対立というものの根っこには何があるのか?

そしてそこから脱するためにはどうすればいいのか?

 

ということについて大きなヒントを
与えてくれ、そして全ての人間関係に
対して、ひとつの方向性を示してくれる本だ。

内容だけではない。

この本の凄さ、それは、あの内容を
あの薄さで書き記しているということだ。

内容だけではなく、
文章力というものについても脱帽してしまう。

そんな

『わたしたちが正しい場所に花は咲かない』

の冒頭にある詩が、この本の
伝えたいことを非常に巧みに表して
いるので、それを紹介させていただく。

わたしたちが正しい場所に
花はぜったい咲かない
春になっても。

わたしたちが正しい場所は
踏みかためられて かたい
内庭みたいに。

でも、疑問と愛は
世界を掘り起こす
もぐらのように、鋤のように。
そしてささやき声がきこえる
廃墟となった家が かつてたっていた場所に。

ーイェフダ・アミハイ「わたしたちが正しい場所」

「自分が正しい。相手が間違っている」

僕たちは、日常の中でそういう意識を
持つことがある。

でも、そういう意識になった瞬間に、
相手を理解しようという気持ちが無くなってしまう。

そういう意識の元では花は咲かない。
相手との協調は不可能になってしまうんだ。

 

自分も、相手も、傷つける為の存在ではないんだ。

色々な事情で、共に愛し合い、喜び合う
ことが仮にできなかったとしても、
憎しみ合い、罵り合い、傷つけ合う

ことをする必要は無い。

この本は、そういう大切なことを、
僕たちに伝えてくれる。

ブランディングや商売にも応用
できるし、家族関係や恋愛等、
全ての人間関係に応用できる本だ。

 

僕の中の

「全人類が読むべき本ランキング」

のトップ10に確実にランクインする本。

もしよろしければ、
是非手に取ってみて欲しい。

あなたの心が冷たく、固く閉ざされて
しまった時に、小さいかもしれない
けれど、暖かく、明るい光を灯してくれるだろう。

 

阿部 龍太

 

【追伸】

ちなみに

「自分が正しい。相手が間違っている」

という意識だけじゃない。

「自分が全て悪い。自分が全て間違っている」

という発想も同じくらい「狂信的」だ。

自分に厳しくあるのは悪いことではない
けれど、この前後編で書いたように
「感情」と「論理」を分けて考える
という癖を付けてほしい。

上でも書いたけど、
自分も、相手も、傷つける為の存在ではないんだから。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

ページ上部へ戻る