KANSHAしても“伝わらない”コミュニケーションのコツ 〜SMAPの謝罪会見の問題点(その2)〜

だから、あなたの話は伝わらない。

前回に引き続き、今日もsmapの謝罪会見
から、ダメなコミュニケーションに
ついて学ぼうというこのコーナー。

前回では、言語学の観点から、上手く
いかないコミュニケーションの要素に
ついて考えてみた。

今回は、前回の続きとして、
その要素を考察していきたい。

ちなみに、過去記事はこちらです。

→第一話
「部屋とSMAPとコミュニケーション
とブランディングと私」

→第二話
SMAPの謝罪会見の問題点を、
言語学の視点からざっくり考えてみた
(その1)

 

何について話しているの?

言語学者ヤコブソンによる
コミュニケーションモデルで考える
smapの謝罪会見のコミュニケーション
ミスの二つ目。

それは

3.対象
…何について話しているのか?

についてだ。

 

会見では、

「我々smapのことで」

「僕たちのことで」

「今回の件で」

という言葉を使って

「お騒がせしてごめんなさい」

と表現している。

 

しかし、具体的に何の事でお詫びをして
いるのだろうか?

 

解散危機が浮上して、ファンを不安に
させた事?

ジャニーズ事務所の問題が浮き彫りに
なって、事務所のイメージを下げた事?

smapの分裂というイメージダウンに
よって、スポンサーに迷惑をかけた事?

 

要は、

何についてお詫びをして
いるのかが、伝わってこないんだ。

 

でもこれは、彼らの会見に限った
ことではない。

日常でもよく見られるものだ。

 

日常に落とし込んで考えてみると…

「何についてお詫びをしているのかが伝わってこない」

ということを表す実例として、
以前書いた記事、

→「某高級ホテルのスタッフさんに
学ぶ、非言語コミュニケーションの奥義」

で挙げた事例がある。

何が悪かったのか、きちんと謝罪する
のではなく、とにかく謝ればいいと
思っている。

ある種の慇懃無礼な輩の対応って、
こういう風になりやすい。

 

悪いと思っていない。
 ↓
だから解決する気がない。
 ↓
だから何が悪いのか、何が問題なのかを
考える事をしない。

 ↓
でも相手は客だから謝っておかなければ
いけない

 ↓
だから謝罪が的を得ず、ぼんやりした
ものになってしまう。

 ↓
よって当然、相手は納得しない。

 

こんな感じだ。

 

あのホテルでの一件では、あるウェイト
レスさんの見落としによって、僕たちの
時間が奪われ、楽しく実りのある打ち
合わせができたという経験に水を差された訳だ。

しかし、彼女はそういう点には一切
触れることなく、ただ

「すみませんでした」

と言うばかり。

しかも、目も合わせずに、だ。

 

結果として、まさに今回のsmapの会見と
似たような、納得できない嫌な感覚だけが
残ってしまった。

そんな低レベルなコミュニケーション
では、相手の心は閉じていく一方だ。

伝えたい事なんか通じないし、
何も理解してもらえない。

 

更に言えば、
これは謝罪じゃなくても同じ事だ。

 

例えば、あなたが友達を褒めるとしよう。

では、相手の何を褒めるのか?

髪型なのか、
服なのか、
アクセサリーなのか、
性格なのか、
何か特定の行動なのか。

そのあたりを明確にしないまま、
相手を褒めようとしても

「あなたは頑張ってるね。素敵だね」

みたいな「当たり障りの無い事」しか
言えないのではないだろうか。

もしあなたが親だったり、上司だったり
するのであれば、憶えておいて損は無いと思う。

 

「当たり障りの無い内容」

つまり、

「気持ちの込められていない言葉」

からは

「当たり障りの無い結果」

しか得られない。

 

あなたの心の深い所から
出た言葉でなければ、
相手の心の深い所にその
言葉が届く訳が無いんだ。

 

何を伝えるにしても、この事は変わらない。

あなたは是非、意識して欲しい。

 

という訳で、続きは次回をお楽しみに。

→to be continued…次回に続く

 

阿部 龍太

 

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