- 2015-7-29
- こぼれ話, 事例やご感想
- 事例, 問題解決技法いろはの「い」
昨日、
「世界一簡単な問題解決の
いろはの『い』」について、そもそも
「解決すべき問題が何か」を誤解して
いる人が多いですよ
という話をした。
今日はせっかくなので、この考え方を
使って、実際にクライアントさんに
アドバイスした事例を紹介しようと思う。
(掲載を許可してくれて、ありがとう!)
「売り上げが下がった」→「ではラジオ体操をやりましょう」???
ある小売店を経営されている社長さん、
仮にSさんとしよう。
Sさんは、お店の売り上げが下がって
いることを問題視していた。
実際にお店にお邪魔して、Sさんや
スタッフさん全員にヒアリングを
させてもらって、僕が一番最初の
改善案としてアドバイスをさせて
もらったこと、それは
「ラジオ体操をやりましょう」
というもの。
なぜ「売り上げを上げるためにラジオ体操」なのか?
その解説をしてみようと思う。
(解決したい問題) 「売り上げが下がっている」 ↓ (解決案) 「ラジオ体操をする」 |
これだけでは、多分何のことか
意味が分からないと思う。
なので、先日の考え方に沿ってみよう。
Sさんとスタッフさん全員にヒアリング
(完全匿名)をさせてもらって
見えたことがあった。
まずSさんはスタッフさんたちの
仕事ぶりに真剣さが書けていると感じていた。
そしてスタッフさんたちは、
確かにモチベーションが高くなかった。
昨日の考え方で表すと
(解決したい問題) |
という感じだ。
で、この「要因」を産み出した
「更なる要因」
を掘り下げていった所、
スタッフさんたちのモチベーションが
低いのは、社長のSさんに原因の
一端があることが分かった。
Sさんは仕事柄、お客様とお酒を
飲んだりすることがあるそうだ。
そして、お酒を飲んだ次の日は、昼まで
出社しないで家で寝ていたりしていたのだそうだ。
そういうSさんにきちんと意見をして
いた古株のスタッフさんがおられたそうだ。
しかし、その方が辞めてしまい、
その後は誰もSさんに意見を言わな
くなり、その結果、Sさんの出社
時間はお酒を飲まなくても遅くなっていったそうだ。
社長のSさんがいないと動かない仕事が
あった場合、スタッフさんたちはSさん
が出社するまで、別の緊急度や重要度
が低い仕事をしていたり、ひどい時は
仕事をしないで遊んでいたりする日もあったそうだ。
つまり
(解決したい問題) 「売り上げが下がっている」 ↓ (その問題を発生させた要因) 「スタッフさんがあまり真剣に仕事をしていない」 ↓ (その問題を発生させた要因) 「社長のSさんの出社が遅いこと で、スタッフさんたちのモチベーションも下がっていた」 |
という状況があったんだ。
Sさんに話を聞くと朝は体調が悪い
ことが多く、どうしても出社が遅れて
しまうことが多いのだそうだ。
では、なぜ体調が悪くなるのか、
そこを深めてみた所、「更に別の要因」が出てきたんだ。
長くなってしまったので、次回に続く・・・
阿部 龍太