「手をかけ、そして引き出す」という事 〜「日本のマザーテレサ」が教えてくれた事(その2)〜

手をかける 善さを引き出す

「日本のマザーテレサ」こと、
佐藤初女さんから伺ったお話のシェア第二回。

→第一回の記事はこちら

前回は

「心を癒すために、食事が大きな役割を果たす」

という話をお伝えした。

ということならば、さぞ素材にも
こだわっているのだろうと思ったのだが
どうも違うようだ。

初女さんによると

「素材そのものはそれほど気にして
いません。地元で穫れたお米や野菜を
普通に使っています。

大事なのは、素材よりもその素材に
どう手をかけるかだと思っています」

とのこと。

 

包丁の入れ方、
下ごしらえの仕方、
調理方法

・・・

同じ素材で同じ料理を作ろうとしても、
これらの違いで全然違う味になる。

だからこそ、その素材の良さを最も
引き出せるように手をかける事が
重要なのだそうだ。

 

僕自身の例で言えば、カレーを作る時
野菜の切り方や肉の下ごしらえの仕方で
同じルウを使っても完成したカレーの
味わいが変わる。

って、僕のカレーと初女さんの料理を
比べてしまうのは失礼な気もするが(苦笑)

 

そして、これも商売に完全に応用できる
考え方だ。

 

最高の味を引き出す事が重要なのは、料理も商売も同じ。

いかに素材の味を引き出すか。

この考え方は商売でも同じように通用する事だ。

 

扱っている商品の素晴らしさをいかに引き出すか。

働いているスタッフの魅力をいかに引き出すか。

お客様の満足や喜びをいかに引き出すか。

 

扱っている商品が他のお店でも販売して
いるようなものでも。

働いているスタッフがそれほど特徴的で
なかったとしても。

いかにそれらの魅力を引き出すかに
よって、お客様の評価は全く変わってくる。

 

この

「魅力や素晴らしさを引き出す」

という事を実現するのが

「コンセプトの力」

というものだ。

 

同じ商品を扱うAさんとBさんが
いたとする。

でも、彼らのコンセプトが違えば、
陳列方法やアフターケア、そして
値段等の細かい部分は変わってくる。

そうすれば、お客様が感じるものも、
変わってくる。

 

もっと言えば、これは商売だけでは
なく、人間の生き方そのものにも当てはまる。

 

同じ環境で、同じ仕事をする
AさんとBさんがいたとする。

でも、彼らの仕事に対するコンセプトが
違えば、仕事の仕方、そしてその成果も
変わってくる。

そうすれば、二人の仕事の評価も、
変わってくる。

 

3人のレンガ積み職人の話なんかが
有名だよね。

レンガを積んでいる3人の男に
「あなたは何をしているのですか?」
と聞いた時、

Aさんは
「レンガを積んでいる」と答えた。

Bさんは
「レンガを積んで壁を作っている」と答えた。

Cさんは
「歴史に残る偉大な大聖堂を作るために
レンガを積んでいる」と答えた。

 

やっていることは同じ「レンガ積み」

しかし、その仕事に対する「意識」が、
つまり「コンセプト」がそれぞれ違っていた。

この先の話は知らないけれど、恐らく
この3人の職人が、それぞれどのような
人生を送ったか。

考えるまでもないよね。

 

コンセプトは、商売の方向性を、そして
人生の方向性を決める力を持っている。

車で言えばハンドルのようなものだ。

あなたが行きたい場所に進んでいく為に
必要なハンドル。

その方向を最終的に決めるのは、
社会制度でも、著名人や権威のある人でもない。

そう、あなた自身なんだ。

 

阿部 龍太

 

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