夜空の向こうには伝わらない… 〜SMAPの謝罪会見の問題点(その3)〜

結局、何を言いたいの?

前回に引き続き、今日もsmapの謝罪会見
から、ダメなコミュニケーションに
ついて学ぼうというこのコーナー。

 

前回では、言語学の観点から、

「何が言いたいのか分からない」という
コミュニケーションの原因

について考えてみた。

今回は、前回の続きとして、
その要素を考察していきたい。

 

ちなみに、過去記事はこちらです。

→第一話
「部屋とSMAPとコミュニケーション
とブランディングと私」

→第二話
SMAPの謝罪会見の問題点を、
言語学の視点からざっくり考えてみた
(その1)

→第三話
KANSHAしても“伝わらない”
コミュニケーションのコツ

〜SMAPの謝罪会見の問題点(その2)〜

 

 

結局、何を言いたいの?

言語学者ヤコブソンによる
コミュニケーションモデルで考える
smapの謝罪会見のコミュニケーション
最後の一つ。

それは

4.メッセージ
…何故3(対象)について話すのか?
 3(対象)を通して何を伝えたいのか?

についてだ。

 

要は

なぜこの会見を開いたのか?

この会見で何を伝えたいのか?

ということだ。

 

会見全文を見る限りでは

「ジャニーさんに謝りました。
これからも頑張ります。
よろしくお願いします」

ということしか伝えていないように
感じる。

でも、そんな事を言うだけ
なら、わざわざ会見をする
必要があるのだろうか?

 

ファンとしては、解散について知り
たかったのかもしれない。

マスコミとしては、問題の経緯を
知りたかったのかもしれない。

 

もし彼らが

「ジャニーさんに謝って赦してもらった」

ということを伝えたかったのであれば、
別に一般の人が見る場で会見をする
必要は無いのではないだろうか。

 

何を伝えるにしても

「結局、何を言いたいのか?
相手に何を理解してもらいたいのか?」

ということを常に明確にしておく必要がある。

 

もちろん、ただ友達とおしゃべりする
だけならば、別にこういう必要は
ないかもしれない。

でも何かしらの公式の場であれば
話は別だ。

 

ラブレターならば

「あなたが好きです。
私とお付き合いして下さい」

というメッセージ。

 

セールスならば

「あなたの問題解決を助けたい。
だから私に手伝わせて下さい」

というメッセージ。

 

選挙のスピーチならば

「私はこの国を良くする。
どうか私に投票して下さい」

というメッセージ。

 

こういったものが、それぞれの場面で
使われる言葉に込められていなければいけない

そうでなければ、相手の時間を
奪ってしまうだけだ。

 

何を伝えたいのか、
何を大切にしているのか。

そういった「思い」を「言葉に乗せる」
事が、コミュニケーションにおける
必須事項だと僕は考えている。

思いが込められてない言葉は、
ただの記号の羅列であり、そして
そんなものは「言葉」と呼べるものでは
ないのだから。

 

しかし今回のsmapの会見は、どうもこの
部分をあやふやにしてしまったように感じる。

謝罪会見なのに「何を伝えたいのか」が
よく分からない。

「謝罪」しているのは分かるけれど、

「何について」謝罪しているのか

「誰に対して」謝罪しているのか

この辺りがあやふやになってしまっている。

そのため、伝える相手も、伝える内容も
よく分からない。

結果として、聞いている人をただ
モヤモヤさせるだけのものになって
しまったように思う。

 

どうして、こんな会見になってしまった
のだろうか?

ジャニーズ事務所のような、力のある
事務所がやる会見としては、びっくり
するくらいお粗末すぎる。

 

次回はその辺りについて、考えてみようと思う。

お楽しみに。

 

→to be continued…次回に続く

 

阿部 龍太

 

【追伸】

「使える」ブランディングについての
より深い情報や、あまり表には出せない
裏話等は、メルマガで書いてます。

もしよろしければこちらから登録してください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

ページ上部へ戻る