それは、お前がバカだからだ! 〜部下を成長させたい上司に捧げる詩〜

「バカ」は誰だ?

先日、友人からとある話を
聞かせてもらった。

あるお医者さんが子供の問題行動に
ついて書いた記事だ。

そのお医者さんの言っている事を
ざっくりまとめると、

「子供の問題行動は、
親(大人)が原因である」

という事なのだそうだ。

これに関しては僕も基本的に賛成で、
更に言えばこれは親子関係だけに
限らない事だと思っている。

 

「バカと言う奴がバカ」の本当の意味

以前、とある店舗のスタッフ研修の
問い合わせをいただいた事がある。

「スタッフのやる気が感じられない。
もっと真面目に仕事に取り組んで
売上げに貢献して欲しい」

という店長さん。

 

ヒアリングをさせてもらった所、確かに
スタッフさんの仕事ぶりに問題がある
というのは、お客様の声もあり、事実のようだった。

しかし、その根本的な部分、つまり

「なぜ、スタッフさんの仕事ぶりに
問題があるのか」

について掘り下げてみると、
思った通りの側面が浮き彫りになった。

 

ここまで読んだ人はもう分かるよね?(笑)

そう。スタッフさん達の仕事ぶりに
問題が出ていたのは、店長さんにも
問題があったからだ。

 

子供が大人の背中を見て育つように、
スタッフさんは店長(上司)の背中、
つまり彼らの言動を見て育つ。

いくら社員にレベルの高い研修をしたと
しても、上司の言動が低レベルであれば
その研修の成果が100%発揮される事は難しい。

逆に、スタッフ研修をしなくても、
上司が変わるだけで部下も変わるという
話はよくある。

 

一般の企業研修を非難する訳じゃない
けど、この辺りを何も考えずに、ただ
研修プログラムを売ろうとする企業や
何も考えずにそのプログラムを導入
する教育担当者に関しては個人的に
少しもったいない気もする。

それによって、自動的に成果を半減
させてしまっているのだから。

 

当たり前の話だけど、この世の全ては
単独で存在していない。

人が一人で生きていけないように、
必ず何か別の存在と関わり合って
存在している。

子供と大人もそう。

上司と部下もそう。

教師と生徒もそう。

このブログだって、読んでくれるあなた
がいるから成立している。

同じように商売も、お客様と販売者、
更に言えば業者さんとか生産者さん
とか、たくさんの人の関わり合いの
結果でしょう?

もっと言えば、神様だって信者が
いるからこそ存在できていると言えるよね。

 

「あなたがいるから私がいる」

どんな分野、どんな場であれ、
色々な人が相互に関わり合う事で、
それぞれが存在できているんだ。

 

だから、誰かが一方的に正しく、
誰かが一方的に間違っているという事は無い。

「一理ある」

という言葉があるけれど、
それは逆を言えば、

「一理しか無い」

とも言える訳だ。

「バカと言う奴がバカだ」

という名言(笑)があるけれど、それは
ある意味正しいのだと思う。

 

「人間の関係性」における偉大な思想家
であるM・ブーバーの言葉を借りるなら

「相手をダメ人間と見なす
視点しかない自分も同様に
ダメ人間である。

相手を無限の可能性のある
存在と見なす視点がある
自分も同様に無限の可能性
のある存在である」

という事なんだ。

 

「部下やスタッフが成長しない」

もしあなたがそう思っているのなら、
それは

「あなた自身が成長していないから」

という可能性もあるという事を、
頭の片隅に置いてもらえたら、と思う。

 

そして相手だけを責めたり、
自分だけを責めたりする

「縛られた発想」

から自由になって欲しい。

互いに少し歩み寄るだけで、
高い研修費用をかけずに、今まで
以上の大きな成果が得られる事
だってあるのだから。

 

阿部 龍太

 

【追伸1】

という訳で、問い合わせをくださった
店長さんには、スタッフさんの研修の
前に、店長さんご自身の研修を
提案させてもらった。

(その方が期間も短く、費用も安くできたし)

しかし、その提案は残念ながら
受け容れられなかった。

そして最近そのお店について話を聞く
機会があったのだが、案の定と言うか
スタッフさんがごっそり辞めてしまったそうだ。

残念ではあるけれど、まあ、予想通りだ。

 

【追伸2】

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