海パンでエベレスト登頂 〜「かながわ女性の活躍応援団」の炎上を考えてみた〜

ビジネスモデルの三要素

 今日も前回の続き。

神奈川県の

「かながわ女性の活躍応援団」

というプロジェクトが炎上している件
で、その根本にはsmapの謝罪会見の
ような、コミュニケーションの大きな
ズレがあった、という話だ。

 

詳しくは前回までの記事を読んで欲しい。

第一話
→smapだけじゃない「伝わらない」
コミュニケーション

第二話
→かながわ女性の活躍応援団」
プロジェクトの酷評を、言語学の観点
からざっくり考えてみた。

第三話
→webマーケティングの超・超・超基礎
を守らないと、こうなる。という事例

 

今回は、ビジネスの場面にも活用できる
よう、マーケティングという枠組みで
考えてみよう。

 

ビジネスモデルとコミュニケーション

今回、考えるためのツールとして
取り上げたいのは

「ビジネスモデル」

という概念だ。

 

「ビジネスモデル」というものを最もシンプルに考えると

・誰に

・何を

・どのように

という要素をまず考える必要があると
言われているし、実際に僕も
プランニングの際には、この3つを
押さえるようにしている。

 

これを、今回の件に当てはめてみると

・誰に

の部分を大きく間違えてしまった
ということが言える。

 

本来「経営者向け」にメッセージを
発していたのに、世間からは
「働く女性向け」だと認識されてしまった。

当然、伝える相手がズレているの
だから、メッセージの内容や意図が
きちんと伝わる訳も無い。

結果として酷評が相次ぎ、炎上して
しまったという訳だ。

 

「働く女性向け」という今回の世間の
「認識」は、プロジェクトを運営する
神奈川県にとっては「間違い」になるだろう。

でも第三者の僕からはそうは思えない。

残念ながらこれは「世間の間違い」では
なく、「神奈川県の間違い」だ。

 

以前のこの記事にも書いたけれど、
基本的に「コミュニケーション」という
ものは、情報の「受け手」によって
判断されるものだ。

いくら素晴らしいメッセージを発して
いたとしても、相手に届いていなかった
り、相手に間違った形で届いてしまって
いては意味が無いんだ。

そういう意味で、第一話でもお伝えした
ように、この

「かながわ女性の活躍応援団」

は現時点では失敗だと思っている。

 

今後の対策を偉そうに考えてみた。

でも、別に悲観する事ではないと思う。

理由は明確になっているんだから、
直せばいいだけの話だ。

 

恐らくだけど、今回のミスの根本は
プロジェクトにおける「コンセプト」が
きちんと設定されていなかったことに
よって、webサイトのデザインが狂って
しまっただけなんじゃないだろうか。

旅行で言うならば、ハワイで海水浴を
しようとして、到着したのはエベレスト
だった、というようなものだ。

海パンでエベレスト登頂。

絶対に上手くいかないよね(笑)

 

でも、仕方ない部分もあると思う。

「コンセプト」というものを役所の方が
理解しているとは思えない。

同時にweb制作会社の方が理解している
とも思えない(問題ではあるけどね)

きちんとコンセプトの力を理解し、
きちんと使っている人は、それほど
多くないからね。

 

だから今回の件は仕方ない部分があるし
それ故、同時にまだ巻き返しは
可能だと僕は思っている。

きちんとコンセプトを設定し直し、
それに沿ってプロジェクトを進めて
いけばいいだけだからだ。

 

逆にこれだけ炎上したということは、
ある意味認知度は高まったという事。

だから、きちんとしたものを作れば、
プロモーションしやすいような気もする(笑)

(そこまで考えての今回の炎上だったら面白いよね)

 

女性も男性も、働きやすい環境。

皆が自分の可能性を発揮できる環境。

それが実現したら、
素晴らしい事だと思う。

プロジェクトの担当の人には、
是非頑張ってほしいな。

 

阿部 龍太

 

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